【完】甘い生活~危険な幼なじみに溺愛されて~【上】p356まで加筆済
☆鈍感女【光弥side】
ジリジリと照りつける太陽。
俺は額に滲んだ汗を手の甲で拭いながら
、チラッと横に目を移した。
夏休みに突入して、1週間。
俺の横では、楽しみでたまらない、と言
ったように荷物をまとめている恋那が居
る。
そんな恋那が、恨めしいような、愛しい
ような、意味のわからない感情に潰され
そうだ。
いつもよりもテンションが高く、鼻歌な
んか歌いながら荷物を纏めてるその姿は
ほんとに可愛いし、今すぐ押し倒したい
くらいだけど。
……こいつ、本当にアブねぇ。つか、無
防備すぎだろ。
俺らがこれから行こうとしてるのは、千
葉県にあるという滝川の別荘。
滝川が恋那を誘ったとき、俺と千夏ちゃ
んも居たから、仕方なく誘ったみたいだ
けど。
ありゃ、恋那と二人っきりで行こうとし
てたな。
あの場に居て、本当に良かった。
誰が二人きりになんかさせるかよ。