【完】甘い生活~危険な幼なじみに溺愛されて~【上】p356まで加筆済
★喧嘩ばかりの二人
「おおお~海だーっ!!」
視界いっぱいに広がる青。鼻を擽る、潮
の香り。
今日はついに旅行当日。運よく天気は快
晴で、気持ちよく泳げそう。
広大な青い海を目にして、思わず歓喜の
声を上げると、光弥に鼻で笑われた。
「ハッ。そんなん見りゃわかるだろ」
「……」
そうですね。そーですよ!見りゃわかり
ますとも!!
だけどそんなのいちいち指摘しなくたっ
て良いじゃん!
感動に浸って、何が悪いのよ!と憤激し
ていると、圭君がクスリと笑いながら言
った。
「まあまあ、良いじゃん国立なんてほっ
とけば。更衣室は、向こうにあるからさ
。着替えて来なよ」
「あ、うん。ありがとう!」
やっぱり圭君は優しいし気がきくし、ど
こかの自己中俺様野郎とは大違いだね。
圭君の言う通り、あんなやつ無視してれ
ばいいよね。
圭君にお礼を言って、私は千夏の方を振
り向いた。