【完】甘い生活~危険な幼なじみに溺愛されて~【上】p356まで加筆済
そうしたら、千夏が難しい顔をしてるも
んだから、首を傾げてしまった。
「どうしたの、千夏」
こんなに綺麗な海が目の前にあるってい
うのに、そんな考え込んじゃって。
暫く千夏は黙ってから、やっぱり険しい
顔のままで、ポツリと言葉をこぼした。
「いや~、私さ、邪魔じゃん。国立と圭
君の争奪戦が見ててイタいんだけど」
「争奪戦?何の?」
光弥と圭君、なんかゲームなんてしてた
っけ。
そう言うと千夏は物言いたげな視線を送
ってから、
「……可愛い可愛いお姫様、のよ」
と読解不明な言葉を言ってきて、私は、
「ふーん?」と適当に返事をした。
そしたら千夏は何故か大きくため息をつ
いてたけど。
「ち、千夏……すごっ!!」
──更衣室の中で、そんな声をあげてし
まった私。