【完】甘い生活~危険な幼なじみに溺愛されて~【上】p356まで加筆済
私は、もう逃げ出したかった。
でも、千夏に手首を掴まれているから逃
げることは出来なくて。
千夏のバカーっ!わからずや!と心の中
で叫んでみても、当然千夏には届かない
。
穴があったら入りたい──それはまさに
、いまこの状況の事をいうにちがいない
ね。
結局、意外と強かった千夏の力に最早な
すすべもなく、更衣室の前で待っていた
圭君と光弥の前に晒され。
二人の突き刺さるような視線が痛い。
わかってるよ、似合わないって事くらい
。きっと千夏と私の身体を見比べて、私
の幼児体型に唖然としてるんでしょ!
なんて一人、拗ねていたら。
「椎名、かわいい……」
ほら、やっぱり───ん!?
確かに聞こえてきたその言葉に、私は思
わず圭君を凝視してしまった。
「か、かわいい!?圭君、頭おかしくな
っちゃった!!?」