【完】甘い生活~危険な幼なじみに溺愛されて~【上】p356まで加筆済
☆圭君の想い
すっかり、陽も暮れた頃。
海で疲れはてた私達は、圭君の別荘に足
を運んでいた。
「すっご……」
その別荘をみて、圭君を除く私達三人は
、思わずそう呟いていた。
海辺から徒歩で十五分。そこに別荘はあ
った。
丸太で造られた別荘の中には、オレンジ
色の灯りが灯されていて、中にあるテー
ブルなんかも、木で出来ていた。
キョロキョロと辺りを見回す私達に、圭
君が説明してくれる。
「祖父が作ったんだ。ちょっと狭いかも
知れないけど……」
この別荘が狭いだなんて言ったら、私の
家はどうなっちゃうんだろう。辛うじて
この別荘より大きいか、同じくらいだと
思う。
しかもそこには、使用人が数人いて、も
う別世界みたいだった。
使用人ってほんとに存在するんだ……。
使用人の中には料理人さんも居て、別荘
の中には空腹を誘う、いい匂いが漂って
いて。
既に用意されていた、豪華な夕食を済ま
せて、外に別に建設してあるというお風
呂へ、千夏と一緒に向かった。