【完】甘い生活~危険な幼なじみに溺愛されて~【上】p356まで加筆済
──ボスッ……。
トン、と両肩を押されて、傍にあったソ
ファーへと、押し倒された。
何が起こったのか理解するよりも先に、
上から、光弥が馬乗りになってきて、す
ごく苦しい。
「ちょ……降りてよ!」
じたばたと抵抗を試みるも、光弥にはこ
れっぽっちも効かなくて。
光弥は、その瞳を妖しげに揺らめかせた
。
「やだ。……なあ、答えろよ。好きなの
か?」
そんな光弥に、私はプイッとそっぽを向
いてやった。
私の言葉なんてなんも聞かない自己中な
光弥になんて、構うもんか!
「どっちだって、良いじゃん。光弥には
関係無いでしょ」
それに、圭君の気持ちを知っちゃった以
上は、安易に答えられなかった。
光弥がきゅっと眉をひそめて、手首を握
る力を強めてくる。
私は思わず顔をしかめた。
「……った…離してよ、光弥……」
「だから、やだっつってんじゃん。この前みたいに好きって言えば良いじゃん?」