【完】甘い生活~危険な幼なじみに溺愛されて~【上】p356まで加筆済
私がそう言うと、曇りガラスの向こう側
の影が、一瞬動きを止めた。
それでもう、私の推測が推測じゃなく、
事実になったのだと確信する
光弥だ……。
そうわかったとたん、何故だか胸がドキ
ドキしてきたから、胸元に手を置いて、
ぎゅっと手のひらを握った。
「…何してるの?まさか、入って来ない
でしょうね」
そんなことは、ないとは思うけど。
そう言うと、やけに乾いた笑いが聞こえ
てきた。
「今さら何照れてるんだよ?もう恋那の
裸なんて、知り尽くしてんだから、別に
平気だろ?」
…いつの話よ!と思わず突っ込みたくな
る。
そして、紛らわしい言い方をするなバカ
っ!
ていうか、その口振りはつまり…。
「入るよ~」
最悪の事態を考えていると、そんな間延
びした声が聞こえてきて。