【完】甘い生活~危険な幼なじみに溺愛されて~【上】p356まで加筆済
さっきから光弥、可笑しいよ。
意味がわからない、と光弥の胸元を押す
けど、びくともしない。
知らない内に、どんどん逞しくなってい
く光弥。ついこの前までは、ただの"男
の子"だったくせに。
ふと、この前教室で光弥と話してた、派
手な女の子が頭を過った。
すごく、親しそうだった。
胸が、ちくっと痛む。
──あの女の子は、光弥に抱かれたのか
な。
この逞しい胸に。
ちょっと焼けた大きな腕に。
鼻をくすぐる甘い匂いに。
触れて、触れられて。
光弥の全てを、あの女の子は知ってるの
?私の知らない光弥を、他のたくさんの
女の子は──。
どんどん、光弥が遠くなってくよ……。
苦しい位に、胸が痛む。でもそれと同時
に──私も、翻弄されたい、と思った。