【完】甘い生活~危険な幼なじみに溺愛されて~【上】p356まで加筆済
☆スイートバレンタイン
あのクリスマス以来、ちょっと光弥とは
気まずくなってる。
光弥は普通なんだけど、私がちょっぴり
光弥を無意識に避けてしまってる感じ。
結局、あの日の光弥の憂いを含んだ表情
の意味も聞けないまま──。
光弥が、いけないんだよ。光弥が……何
度も、キスをしてくるから。
だけど、忘れられなかった。
あの日光弥の見せた、せつなげな表情が
どうしても忘れられなくて、胸がその度
に痛んだ。
もっと追及しておけばよかった、なんて
、今更だけど。
「恋那っ!明日、どーする??」
ぼーっとしてた私は、そんな千夏の問い
かけも、スルーしちゃって。というか、
聞こえてこなくて。
「恋那ったら!」
と痺れを切らしたらしい千夏に頬をつね
られて、我にかえった。