【完】甘い生活~危険な幼なじみに溺愛されて~【上】p356まで加筆済
ふと千夏が、チョコをバッグにしまいな
がら、私を見上げてくる。
「国立には、もうあげたの?」
そして、きょとんと首を傾げながらそう
聞いてきた千夏に、ドキッと心臓が跳ね
た。
「ううん。光弥はまだだよ……」
「ふーん。今日中に、渡しなよ?」
「うんっ」
──そう言ってから、早くももう放課後
だったりして。
その時点ではもう、私は完全に自己嫌悪
に陥ってたりして。
……完全に、渡すタイミングを逃したな
あ、圭君にはすんなり渡せたのに、と思
いながら、昇降口に向かう途中。
「光弥君が……好きなのっ!」