【完】甘い生活~危険な幼なじみに溺愛されて~【上】p356まで加筆済
千夏の低い声に、笑いも止まり、私はシ
ュンとしながら謝った。
怖い。千夏ってたまに、お父さんよりも
怖い。……まあ、お父さんがそんなに怖
くないんだけど。
「ま、とにかくね、そういう事だから」
千夏は半ば投げやりにそう言うと、通話
を切ってしまった。
ツー……ツー、と虚しい機械音だけが聞
こえてくる。
「え、ちょっ……千夏──切れちゃった
……」
私は、はあ、と息をついて、携帯を充電
器に置いた。
恋だなんてそんな……。
──LOVEの方に決まってるでしょ!
千夏の言葉が耳から離れてくれない。
「私が、光弥に……」
「俺が、なに?」
恋だなんて、そんな、と思っていると、
突然聴こえてきた声に、心臓が止まるか
と思った。