【完】甘い生活~危険な幼なじみに溺愛されて~【上】p356まで加筆済
鬱陶しいって思われてるかもしれない。
でも……苦しいの。胸が、痛い。
だって、これが恋だって。初恋だって分
かった瞬間に、失恋だよ?
……なんて残酷なんだろう。こんなこと
なら、この感情になんて気付きたくなか
った。
「光弥、私にチョコなんかもらってる場
合じゃないんじゃないの?」
「あ゛?」
「だって光弥、好きな人居るんでしょ?
さっき、きいちゃったの。ごめんね」
どうには薄く笑ってそう言うけど、光弥
の顔は見ることが出来なかった。
ああもう、涙、止まんない。
光弥は私の言葉に少し目を見開く。
ほらね、やっぱり。
図星だから、そんな顔するんでしょ?
「……気になる?」
「え?」
「俺の好きな人、気になる?」