【完】甘い生活~危険な幼なじみに溺愛されて~【上】p356まで加筆済
だけど涙でボヤけて、うまく光弥が見え
ない。
……光弥の気持ちが、わかんないよ。
光弥は垂れた血を指で拭いながら、私を
見つめる。
それがあんまり色っぽくて、ドキッとし
てしまった。
……なんでそんな目で見るの?
すると、静かに口を開いた光弥。
「お前、勘違いしてるから」
「は!?」
勘違い!?なにそれ。
「俺が好きなのは……恋那だから」
そう言われたその瞬間、まるでこの世界
の時が止まったんじゃないかと錯覚した
。
光弥の好きな人は……私?
私は信じられなくてちょっと笑ってしま
う。
「光弥……ここでそういう冗談は、悪趣
味だよ?」
「冗談なんかじゃねぇ。ずっと、好きだ
った。もう、何年も」