【完】甘い生活~危険な幼なじみに溺愛されて~【上】p356まで加筆済
そう不安そうに聞いてくる彼女が、なん
だか可愛らしくて。
ふと、頬が緩んだ。
本当にちょっぴり、ちょっぴりだけ、怠
さも緩和されたような気がする。
俺はおどおどする恋那を安心させるよう
に微笑んでみせた。
「ああ、わざわざおおきに。今起きたば
っかなだけやから、気にせんといて」
「本当に?顔、赤いよ?」
ぴとっと、恋那の冷たい手のひらが額に
触れた。
その瞬間、よくわかんないけど、身体が
カーッと熱くなった。
確かに高熱だったけど、ここまで全身の
血液が逆流するような燃えるような熱さ
ではなかった。
バクバクと脈打つ心臓。
恋那の白く透き通った腕から、目が話せ
なかった。
恋那はそんな俺の気も知らず、俺の額に
触れて温度を確かめると、ぎょっと目を
見開いた。
「うわっ!?すっごい熱いよ!!?それ
に、さっきよりも真っ赤だし。ね、本当
に大丈夫?」