【完】甘い生活~危険な幼なじみに溺愛されて~【上】p356まで加筆済
まるで世界中の時間が止まってしまった
かのように。
私は、瞬き一つ出来なくて。
朝田君の体温とか熱とか、匂いとかを。
直に感じている、自分の肌と。
思考が、それに伴っていけなくなってし
まって。
耳朶を掠めて、鼓膜を震わすのは苦しそ
うな朝田君の息遣いと
さわさわと風が木の葉を揺らすような音
だけで。
朝田君に抱き締められているんだって理
解するのに、時間がかかった。
理解しても、その理由はわからなかった
。