【完】甘い生活~危険な幼なじみに溺愛されて~【上】p356まで加筆済




ゆらゆらと左右に揺れながら、トラック
はスピードを緩めずに。



私はまったく身動きが取れなくなって。



──ドンッ!!



そんな鈍い音と、大きな衝撃と共に、身
体に激痛が走る。



痛い。

痛い痛い痛い痛い痛い!!



肩が、燃えるみたいに熱いし、痛い。



滲む視界の端で、コロコロと転がったボ
ールと、目に焼き付くような"誰か"の赤
が見えた。



「恋那──な、ナナ先生!!!」



光弥の叫び声が、はっきりと聴こえた。



後にも先にも、光弥があんな風に叫ぶの
ははじめてだった。








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