【完】甘い生活~危険な幼なじみに溺愛されて~【上】p356まで加筆済
朦朧とする意識の中、痛む肩を押さえな
がら私はゆっくりと立ち上がって。
目の前の光景に、絶句した。
まるで後頭部を、金槌で殴られたかのよ
うな衝撃。
目の前が、真っ暗になった。
あまりに無惨で、惨い、先生の姿。
周りは深紅に染まっていて。
先生はもう、微動だにしない。
信じられなかった。
信じたくなかった。
トラックは結局──先生を殺して、逃げ
ていった。
私を轢いて、先生を殺して、知らんぷり
して逃げたんだ。
先生……。
先生、ごめんなさい。
悪いのは、あのトラックだけじゃないこ
と、幼い私でもわかったの。
──先生を殺したのは、私。