【完】甘い生活~危険な幼なじみに溺愛されて~【上】p356まで加筆済
そりゃそうか。だって、あんなにかわい
いんだもん。
廊下を歩いてるだけで、皆振り返るよう
な美人。
誰でも目につく。
誰でも見とれる。
私が男の子だったら、きっと見惚れちゃ
う。
でも、だけど。
「恋那?」
光弥は……光弥なら──。
素知らぬふりして、誰それ?って言うの
かなってちょっと期待してた。
ううん。期待してたんじゃない。
そう願ってた。
そう言って欲しかった。
他の女の子になんか興味ないような、そ
んな態度をとって欲しかったんだ。
私が、不安だから。
だけど所詮、そんなのただの私の自己満
足に過ぎなくて。
私の理想を光弥に押し付けるのは違う。