【完】甘い生活~危険な幼なじみに溺愛されて~【上】p356まで加筆済
★殺したいくらいにね【日向side】
──妙な、胸騒ぎがする。
それは夏希がこっちに来た時から、止ま
らないざわめき。
胸の奥がざわざわして、黒く燻るような
──。
夏希が来た時点で、全てが穏便に進むな
んてこれっぽっちも思っていなかったけ
ど。そんなこと、わかってるけど。
夏希のあの、張り付けたような笑みが、
俺には怖くて堪らない。
転校してきた夏希は、俺と同じように、
人気者を装っている。
やっぱり──というか、予想通りという
か。
ここでも夏希は人気者。
あの日の俺のようにあの笑顔に騙される
かわいそうな人がどれだけ居るんだろう
。……考えたくも、ないけど。
「夏希ちゃんって可愛いよなぁ」「もう
天使みたいだよな!」──そんな言葉を
聞くたびに、胸が痛む。