【完】甘い生活~危険な幼なじみに溺愛されて~【上】p356まで加筆済
楽しそうだけど──なんの感情も読み取
れない、ぞわっとするほど冷徹な声。
「本当に、臆病じゃないって、言えるの
?私に逆らえないくせに?本気で恋那ち
ゃんを好きなのに、恋那ちゃんを傷付け
ようとしてる私を叱ることも出来ないの
に?
私が怖いんでしょ?本当は逃げたいんで
しょ?ここから消えたくて、たまらない
んでしょ?──ごめんね。逃がしてなん
か、あげないよ。
だって日向は、私の計画に必要な人材だ
から。日向が居ないと、私の目的は達成
されないから」
──ああやっぱり。
今日も俺は言い返せない。
あいつに負ける。
妖艶に微笑む夏希に、俺は何も出来ない
。俺は、無力だ。
どうして、なんて。
わかってるけど。