【完】甘い生活~危険な幼なじみに溺愛されて~【上】p356まで加筆済
きょとんと首を傾げた光弥につられるように、私もきょとんと首を傾げた。
え?……してない?
「だって、さっき……」
確かに二人とも、顔を寄せあってたのに。
「直前で、止めたし。させるわけねーだろ。……つか、それで泣いてたの?……目、赤い」
そういった光弥の手が伸びてきて、そっと優しく私の涙袋に触れる。
光弥の触れた場所から、じわりと熱が広がっていく。
慈しむような、壊れ物を扱うかのような眼差しにドキッとした。
「……ごめんな。不安にさせて……」
そう言うと光弥は、私の腫れぼったい目尻にキスを落とした。
擽ったくてビクリと震える私に、クスリと笑う光弥。
そしてそのまま、頬にも、やがて、口にも落ちてくる優しいキス。