【完】甘い生活~危険な幼なじみに溺愛されて~【上】p356まで加筆済
現に今も、キャッキャ言いながら、じゃ
れていて、親に向かっていう言葉じゃな
いけど正直鬱陶しい。
ていうか娘の教育上よろしくない、とか
親としての威厳とか、全く無いんだろう
か。
あと、普通に考えて羞恥心とかね?
でも、今気になったのはそんな事じゃな
かった。
二人が腰かけている真っ白なソファーの
よこに置いてある、それとは対照的な、
真っ黒なスーツケース。
どこか旅行にでもに行くような大荷物。
自慢じゃないけど、私は勘がいい。──
─特にお母さんの事に関しては。
まあお母さんが単純ってだけだったりも
するんだけどね。
「そ、その荷物なに…?」
恐る恐るそう訪ねると、お母さんがにこ
って微笑んだ。
───ああ、嫌な予感。ていうか胸騒ぎ
しかしないんだけど。