【完】甘い生活~危険な幼なじみに溺愛されて~【上】p356まで加筆済
どくどくと、心臓が煩い。
妙にあまったるいこの雰囲気が嫌で、頭
がくらくらして、何故か泣きたくなって
。
逃げたいのに、光弥がそれを許してくれ
ない。
ふと、光弥が耳元で、囁く。
「じゃあ、ピーマン抜きね?」
至極当然の条件を、光弥は出してきた。
ずるいとは思いながらも、それに私は頷
く事しか出来なくて。
きっとそれさえも、計算の内なんだろう
。彼にとっては。
「じゃあ、はい。離してやるよ」
ふっと、光弥の腕の力が弱まって、やっ
とこの息苦しい空間から逃れられる事に
安堵の息をついたのだった。
───が。
「───って、簡単に離すとでも?」