【完】甘い生活~危険な幼なじみに溺愛されて~【上】p356まで加筆済
それにしても……と圭君を盗み見る。
圭君は汗一つかいてない。淡々と、憎い
くらい涼しげな表情でノートにシャーペ
ンを走らせていた。
Yシャツを腕捲りした圭君は、見とれる
くらいカッコいい。
捲った袖から覗く、筋肉質な腕は、少し
だけ焼けていた。
ちょっと伸びた髪の毛が、彼を一層大人
っぽくさせている。
ていうかなんで汗、かかないんだろ……
男の子っていつも汗だくなイメージある
のにな。
ふと、圭君と目が合う。
「し……椎名?」
私と目があった圭君は、少したじろぐよ
うに、私の名前を呼んだ。
「ん?なに?」
頬杖をつきながら、圭君を見上げてそう
訊くと、圭君は少し視線を逸らした。
「あ、あんま見られると恥ずかしいかな
……なんて」