【完】甘い生活~危険な幼なじみに溺愛されて~【上】p356まで加筆済
バッ、と思いきって顔を上げる。
見た瞬間、ああ、見なければよかった、
と酷く後悔してしまった。
光弥にひっつく女の人は、見たことのな
い人だから、きっと先輩。
ご自慢の豊満な胸を、これでもかってく
らいに光弥に押し付けてる。
真っ黒な、えもいわれぬ感情が、胸の奥
から込み上げてくるのを感じる。
……ツキン、とちょっとだけ胸が痛んで
、息苦しさを覚えた。
……なにこれ。なんだ、この感情……す
ごく、イヤな感情だ───。
それ以上その二人を見ていられなくて、
唇を噛み締めながら、顔をそむける。
……別にいいじゃん。光弥が誰とつるん
でいようが、誰と……恋していようが。
そんなのは光弥の自由だし、私が気にす
る事じゃない。