【完】甘い生活~危険な幼なじみに溺愛されて~【上】p356まで加筆済
気付きたくないその感情から目を逸らす
ように、千夏に微笑む。
「ごめん、ちょっとボーッとしてた!お
昼買いに行かなくちゃだよね!……行こ
う?」
「うん……」
光弥を視界に入れようとしない弱い自分
が、情けなくて。
必死で笑顔を取り繕うのは、すごく苦し
かった。
なんでこんな思い、抱えなきゃいけない
んだ。
今までだって、きっと同じことは何度も
あったに決まってるのに、私は気にしな
いどころか、光弥の存在すら、特に気に
しても居なかったじゃんか。
それなのに、なんで。
なんで今更、光弥の存在が、心に強く残
るの。
「───何があったのよ」
あれから、菓子パンとジュースを選んで
、会計を済ませてると、急に千夏がそう
言ってきた。
「え?」