【完】甘い生活~危険な幼なじみに溺愛されて~【上】p356まで加筆済
そこで、やっぱり光弥は自分を"偽る"の
が上手いよなあ、なんて思う。
いつも胸が見えちゃうくらいにシャツの
ボタンを外してるくせに、今日ばかりは
一個しか外してないし、ネクタイもしっ
かり付いてる。
どういう風の吹き回し…?と言いたいと
こだが、わかってる。だって光弥はいつ
もそうだから。
お母さんやお父さんの前では、あくまで
も硬派で爽やかに。それこそ王子様みた
いに。
「僕、一度だって女の子と関係もった事
無いんですよ」って感じにいいこちゃん
を演じているのだ。
本当は、野獣のくせして、調子良いんだ
から全く……。
だからお母さんもあんなこと、言い出す
のよ。
そんな光弥に向かって、お母さんは柔ら
かい微笑みを浮かべてた。
「あらあ、光弥君、これから恋那の事よ
ろしくねえ~?」