天神学園高等部の奇怪な面々34
…屋上。

胡坐をかき、川蝉と黄昏を肩に立てかけたまま、翡翠は真っ直ぐに視線を向けている。

1回戦で十牙から受けた傷は、止血のみしてそのまま。

決して浅い傷ではなかろうに。

「手当てはいいのかしら?翡翠先生…」

スゥッと。

給水塔の影からバルナが姿を現す。

「……」

彼女を一瞥だけして、再び視線を戻す翡翠。

バルナはクスッと笑う。

「いずれは闘う事になるかもしれない相手…語る口は持たないって事かしら?」

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