天神学園高等部の奇怪な面々34
「くそっ!」

気配を読みつつ、バルナの行方を捜す龍太郎。

視覚に頼らず、気配を探る辺りは、多少戦闘のイロハを理解してきた証か。

だが。

「それだけじゃあ私は捉えられないわね」

背後で声。

咄嗟にしゃがむ龍太郎。

刹那。

ジャキンッッ!

鋼の刃同士が交差する音。

龍太郎の黒髪が僅かに斬られる。

距離をとって振り向くと、影鋏を手にしたバルナが影の中から姿を現していた。

「惜しいわぁ…もう少しで斬首刑だったのに…」

< 113 / 176 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop