天神学園高等部の奇怪な面々34
ここは天神学園。

命のやり取りはご法度。

無論バルナとて、本気で龍太郎の首を断とうとした訳ではあるまい。

が、精神的に圧迫するには十分な戦術だ。

「このっ!」

再び活歩で間合いを詰めて横蹴りを繰り出すが。

「くっ!」

バルナはまたも影の中に消える。

活歩という技を習得して、近・中距離の移動ならば龍太郎の方が速いだろうが、バルナは影の中を自在に移動できる。

影に沈み込めばいいだけのバルナの動きに、龍太郎はついて行く事ができなかった。

< 114 / 176 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop