天神学園高等部の奇怪な面々34
「くそっ…どこ行きやがった…」

気配を探るものの、気ばかり焦って上手くバルナの位置を特定できない。

そうこうしているうちに。

「っっっ!」

ジョギリ。

またも耳元で鋏の音。

「気配を読むなんて繊細な行動は、丹下君には向いていないのね…私が背後に接近しているのを、まるで察知できていないわ」

「うぉおぁあぁぁぁっ!」

龍太郎は振り向き様にバックハンドブローを放つ!

バルナの横っ面に直撃する拳。

しかし。

「前の試合を見ていなかったのかしら…?」

バルナの姿は、スゥッ…と消えていった。

「この姿は影…どんなに打撃を打ち込んでも通用しないわ…」

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