天神学園高等部の奇怪な面々34
早期決着が長期戦になっただけ。

龍太郎が不利である事には変わりない。

相変わらずバルナの気配は察知できない。

「ふー…」

深く、静かに呼吸する龍太郎。

構えを解かぬまま、その場で佇んでいる。

リングの真ん中。

四方八方、どこからバルナが出現してもおかしくない。

本来ならばリングの隅に移動して、正面からの攻撃のみに備えるのが正しい判断だが、龍太郎はそれさえもしなかった。

< 118 / 176 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop