天神学園高等部の奇怪な面々34
龍太郎の左の肩口に叩き込まれる影業物。

深手に至らなかったのは、刀の鍔元が命中した為。

そして龍太郎もまた、右拳をバルナの脇腹に命中させていた。

拳そのものは、何の変哲もないただの打撃。

だが、そこから伝播した『勁力』の波が。

「な…っ?」

脇腹から両腕へ、両足へ、全身へ…言うまでもなく髪留めの珠にも浸透する!

「丹下君…まさか貴方が…こんな高度な技を…?」

「…へへっ…」

口元から血の筋を滴らせつつ、龍太郎は疲れ切った顔で笑みを浮かべる。

「師匠が優秀なんでな…」

その声が耳に届いたかどうか。

崩れ落ちるバルナ。

それを見届けた上で。

「…きつかったぜぇ…っ…」

ガクリと。

龍太郎も跪いた。

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