天神学園高等部の奇怪な面々34
ドクン!

突然龍太郎の心臓が、大きく脈打った。

「……!」

ガタンと。

客席で用務員が、教頭が、寒緋を含めた佐倉の面々が、思わず席を立つ。

「小岩井さん…!」

「ええ…」

教頭の呼びかけに、用務員は頷く。

「人智を超えた存在と日々拳を交え…過酷な修行を繰り返し…このタイマントーナメントで己の内に眠る存在を自覚し…この決勝で翡翠先生に極限まで追い詰められ…」

普段無表情の用務員の顔が、強張っているように見えた。

「遂に…『臥龍』が目を覚ます…封印が破られる時が来たのです…」

龍太郎の中で膨れ上がる膨大な気配。

人間の力を遥かに超え、用務員や桜の眷属達が束になってやっと抑え付けられていた古の神獣の力が、このタイマントーナメント決勝のリングで…!

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