天神学園高等部の奇怪な面々34
「うるせぇええぇえぇぇえぇえぇぇえぇぇぇっっっっ!」

ガンッッッッ!

突然。

龍太郎は己の顔面に拳を叩き込んだ。

割れる額。

流れる一筋の血。

それでも。

「ふぅ~…」

満足したかのように、龍太郎は大きく息を吐く。

「これは翡翠の旦那と俺とのタイマン勝負だ…龍だかトカゲだか知らんが、ノコノコしゃしゃり出て邪魔すんじゃねぇ…大人しく眠ってろボケが」

「「「……」」」

その行為に、用務員が、教頭が、佐倉の面々が唖然とする。

そして。

「くくっ…」

翡翠さえも笑っていた。

「いいのか?貴様の内に眠る龍とやらを覚醒させれば、この状況を覆せたかもしれんのだぞ?この俺を圧倒できる力を得られたかもしれん」

「何だ…その負けが確定したみてぇな言い草は…」

疲労困憊、満身創痍、それでも龍太郎は拳を握り締める。

「このままでも…形勢逆転くらいできらぁ…」

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