天神学園高等部の奇怪な面々34
下り際。

「丹下」

龍太郎に声をかけたのは翡翠だった。

その手は、腰の二刀の柄にかけられている。

「川蝉と黄昏…加減せずに振るっても問題なさそうだな」

「…あんた加減せずに俺を斬った事なんてねぇじゃねぇか」

龍太郎苦笑い。

だが、翡翠の言葉の真意は理解できている。

命のやり取りは、この学園ではご法度。

しかし、『武人として』。

『試合』ではなく『仕合』として。

剣を振るっても構わない。

龍太郎はそれに足る相手かどうか、翡翠は問いかけたのだ。

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