天神学園高等部の奇怪な面々34
が。

『ちっ!』

致命的とも言える一撃を繰り出しながら、舌打ちするブリュン。

素早く剣を引き、距離をとる。

その致命的な一撃を受けたバルナも。

「いい動きです…まさか零距離刺突とは…」

腹に風穴を開けたまま、表情一つ変えない。

『面妖な…』

ブリュンは剣の柄を握り直す。

『こんなに手応えのない刺突は初めてだ…肉体を貫通したという感触が全く伝わってこない』

「そうでしょうね…」

バルナの右手が、足元の己の影の中に飲み込まれ。

「私は『影』ですから」

次に引き抜かれた時には、ブリュンの片手剣と同等の大きさの鋏が握られていた。

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