天神学園高等部の奇怪な面々34
ブリュンの足元、リングさえもその温度に焼け焦げる。

近づかれるだけでダメージを負うのだ。

まともな接近戦は不可能に等しい。

『影の身とて長くはもたぬぞ』

「そのようですね…」

汗を滴らせ、呼吸を乱すバルナ。

しかし瞳に宿る闘争心は、微塵も萎える気配はない。

『……心を折るしかないか』

向かってくるならば、最後まで受けて立つのが騎士道。

バルナの強い意志に敬意を表し、ブリュンは一歩…。

『!?』

踏み出せなかった。

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