天神学園高等部の奇怪な面々34
あっという間に背後をとった寒緋。

彼女は佐倉の眷属。

人間ではない。

このような超人的な動きなど容易にやってのける。

しかし龍太郎は只の人間に過ぎない。

如何に修行で力を得たとて、ここまでの高速移動は…。

そう思っていた寒緋は。

「よぉ」

「!!」

すぐに背後を取られた事に感づき、あまつさえ寒緋にも劣らぬ瞬間移動で間合いを詰めてきた龍太郎に驚愕する。

「『臥龍』ってな何なんだ?よく言われるんだけどよ」

「あ、あんたっ…人間の癖に何でそんな動きっ?」

思わず質問に質問を返してしまう寒緋に。

「ああ…立禅の修行ってな…潜在能力を引き出す為の修行なんだと。だから人間離れした動きも可能になるって老師が言ってたぜ。それから、この動きは『活歩』…中国拳法式の高速歩法だ…日本の剣術では『縮地』とかいうのもあるけど、まぁそれと一緒だな」

龍太郎は事も無げに答えた。

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