天神学園高等部の奇怪な面々34
佐倉の眷属が、事もあろうに人間に追いつかれる。

執拗に勝ちを狙っていく寒緋ではないが、これには些かカッとなる。

反射的に放った右の掌打を。

「今度はアンタが答える番だ」

龍太郎は容易く捌いた。

「『臥龍』って何だ?何でアンタは俺に敵意を剥き出しにする?」

「ちぃっ!」

リング上、『道桜』と『活歩』で高速移動をしつつ、両者の激しい打ち合いが続く。

絶句したのは客席だ。

あれが龍太郎?

フルボッコだスペシャルバカだと笑われてきた男の戦いぶりとは思えない。

望月を振るい、鋭利な刃物として斬撃を放つ寒緋。

『華切り』

これを。

「ふっ!」

龍太郎は瞬時の呼吸法で『硬気功』を発動させ、左腕で受け止める。

刃すら通さぬ、鋼の肉体と化したのだ。

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