天神学園高等部の奇怪な面々34
延々と続く打ち合い、殴り合い。

顔面を殴打され、腹を打たれ、胸を突かれ、『華切り』で斬られ。

それでも、龍太郎の動きは止まらない。

まるで永久機関。

この男、どれだけ殴れば倒れるのか。

どれだけ動けば体力を使い果たすのか。

佐倉の眷属である寒緋が疑問に思うほどに、龍太郎は戦い続ける。

或いは、既に封印は解け、龍がその無尽蔵の力を発揮しているのかと思えるほどに。

「うぐぅっ…!」

寒緋最後の一人が龍太郎のボディブローを受け、グラリと崩れ落ちる。

「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」

血塗れ、傷だらけ、青痣だらけ。

たった一試合戦ったとは思えないほどの傷、しかし清々しい表情で。

龍太郎はリングに立っていた。

< 59 / 176 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop