天神学園高等部の奇怪な面々34
リング上。

二刀を帯刀した翡翠と、黒のタンクトップにカーゴパンツに裸足という出で立ちの十牙が向き合う。

「ここは貴様を一武人として、紅月と呼ぼうか…」

隻眼で十牙を見据える翡翠。

「今年入学の1年では、貴様が一番骨のある生徒だと思っている。先の対抗戦で我ら武闘派教師陣の一角を崩した時からな」

「俺も先生にゃ一目置いてますよ」

目をそらさず呟く十牙。

「武闘派教師陣なら、翡翠先生か完璧超人先生が随一の使い手だと思ってるっス。今日は…」

彼は牙を覗かせた。

「その随一の一人を切り崩しに来ました」

「笑止」

青白き闘気。

両者の間に、張り詰めた緊張感が漂う中。

< 83 / 176 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop