天神学園高等部の奇怪な面々34
右手だけが、研ぎ澄まされた刃のような爪を持つ人狼のものに変化している。

部分的な人狼化。

以前から出来たのか、このタイマントーナメントの為に習得した技術なのかはわからない。

が。

「いける」

十牙はニッと笑った。

「俺の力は、翡翠先生にも通用する!」

川蝉を受け止めたまま、十牙の右脚が跳ね上がる!

ハイキック!

「っ…」

これを身を低くして回避する翡翠。

しかし跳ね上がった十牙の脚が、今度は急降下する!

踵落とし!

ゴォッ!

肉ではなく、骨にまで衝撃が浸透するような音が響いた。

僅かに折れる翡翠の膝。

そこへ。

「オラァッ!」

十牙の後ろ蹴りが叩き込まれる!

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