糸を張る[イラスト付]
口元からハラリと葉が抜け落ちると、腹の底から、何かが込み上げた。

「……ぷ、ハハハ」

「?」

「アホくさ。今更、都合よく血の臭いが消える訳がねぇ」

「そうかな。ほら、これをやる」

ピストールを丁寧に懐に収めると、今度はゴソゴソと腰の方までしわを作り、それを取り出した。

「これは……」


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