不良だらけの危険なバイトッ☆
そう言って藤堂君はリフティングを始める。
ボールは宙に上がっては藤堂君の足元に戻る。
それは何度も繰り返され、
ボールが地に落ちることはなかった。
「すごい」
あたしはその光景に見とれてしまっていた。
まるで魔法にかけられたかのように目が離せなくて。
不良っぽい外見の向こうに
ユニフォームを着てボールを操る姿が見えた気がした。
「どお、すごいでしょ?」
ボールが藤堂君の手に戻った時にはあたしは拍手をしていた。
「すごい、すごいよ藤堂君!!」
あたしがあまり大騒ぎしたせいか藤堂君の顔が赤くなる。
「これくらい誰でもできるから」
「褒めすぎ」と藤堂君は笑った。