不良だらけの危険なバイトッ☆

「はい、莉子ちゃん」


藤堂君がボールをあたしの方へ軽く蹴る。


「へっ?」


あたしの足元に転がってくるボール。


「わわわわっ」


慌ててそれを足で受け止める。


「蹴り返して」


藤堂君の言葉に頷いてボールを蹴る。


それは藤堂君とはちょっと外れた方向にいったが藤堂君は軽々それを蹴り返した。


「うまいうまい!!」


笑顔とは逆にボールはまたあたしの方へ戻ってくる。


「藤堂君、あたしサッカーやったことないよっ」


そう叫びながら必死に追いかける。


蹴り返すと藤堂君はそれを軽々また蹴り返してくる。


そんなラリーを数回繰り返しただけであたしはへとへとになった。


息をはぁはぁさせながらしゃがみこむ。


「ごめん、疲れたでしょ」と藤堂君がかけよってきた。