不良だらけの危険なバイトッ☆

それから二人で中庭のベンチに腰掛ける。


藤堂君が買ってくれたアイスココアの缶を手にあたしは空を見つめた。


今日は快晴。


青空には雲ひとつない。


「…ほんとはね」


不意に藤堂君が話し始めたからあたしは彼の方を向いた。


「俺はサッカーが好きだよ。毎日練習してた昔も、やめてしまった今も同じくらいに」


藤堂君は俯きながら自らを嘲笑うようにそう言った。


初めて聞いた本音。


そうだよね…


そうに決まってる。


さっきリフティングとかあたしとパス回しをしてる時の笑顔が嘘には見えないもん。


今までで一番楽しそうに笑ってた。


「うん」


あたしはただ頷くしかできない。


「だけどね、サッカーは一人じゃできないんだよ」

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