不良だらけの危険なバイトッ☆

────・・・


「これでよし、と」


ベットに横たえられたユキ君にマスターが布団をかけた。


さっきの騒動とはうって変わって静かな部屋。


ユキ君はすやすやと寝息をたてて眠っている。


表情に苦しみがないだけでもあたしは少しホッとした。


「薬も飲ませたし、とりあえず今は落ち着いてる。カフェのお客さん達が心配してるからみんな一旦仕事に戻れ」


「わかった」と頷くとみんな次々に部屋から出ていく。


あたしも戻らなきゃ…


本当は心配だからユキ君の傍についていたい。


そう思うけどやっぱり仕事は仕事。


やりきれない思いでベットで眠るユキ君をもう一度だけ振り返り、あたしも部屋を出た。


「莉子ちゃん」


部屋の奥からマスターが呼ぶ声がした。


「はい」


振り返ったときに見えたマスターはニコニコと笑っていた。


「なんのために君にも来てくれって言ったと思ってるの?」


「え…?」

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