不良だらけの危険なバイトッ☆
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あれからどれくらいの時間が経ったのだろう。
いまだに眠り続けるユキ君をベットの傍で眺めていた。
マスターの言葉は本当のことなのだろうか。
"ユキが今必要としてるのは莉子ちゃんだから、今はここにいてあげてよ"
マスターはあたしを呼びとめた後、そう言い残して部屋を出て行った。
ユキ君が…あたしを必要としてる?
そうだとしたら…。
"これがバレたら隼人はなんて言うだろうな"
この前の拒絶の瞬間が頭をよぎる。
そんなはずない。
だってユキ君には加奈子さんっていう恋人がいるもの。
加奈子さんの名前を呼んだあの優しい声が忘れられない。
あんな穏やかなユキ君は見たことがなかった。
だから恋人でないにしてもユキ君にとって大切な人なのは間違いない。
でも…
それならユキ君がこんなに大変な時に彼女は何をしているのだろうか。