不良だらけの危険なバイトッ☆

そこには誰もいなくて。


ここに確かに眠っていたはずなのに…。


「ユキ君…!?!?」


なんで!?どうして…


空になったベットを呆然と見つめる。


まさか…あんな体でまたバイトに…?


嫌な予感が頭をよぎる。


「さ、探さなきゃっ」


慌てて立ちあがろうとする。


「おい…っ莉子…」


強く握られた左手が、あたしを立ち上がるのを留めた。


「ユキ君!!」


その下にはベットの横の壁にもたれたまま、片膝を立ててあぐらをかくユキ君の姿があった。


「…なに血相変えて俺の名前呼んでるの」


「だってユキ君ベットにいないから、またバイトに行ったのかと…」


困ったように答えるあたしを見てユキ君は小さくため息をついた。


「…ばーか。これをどうすれば行けるんだよ」


「…へ?」


ユキ君が握った左手に視線を落とした。

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